- 車を美しく保つためにはカーコーティングや洗車が必要不可欠です。
- 車を購入したばかりの方や今まで洗車をあまりしてこなかった方は、洗車と聞いてもやり方がイメージできないのではないでしょうか。
- 間違った方法で洗車すると、汚れが除去できず逆に傷だらけになってしまう可能性もあります。
- 今回は、カーコーティングプロ歴16年の著者が、愛車を綺麗に保つための道具選びから最適な手洗い洗車方法をお伝えさせて頂きます。
著者情報
株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史
2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。
カービューティーナビを運営する著者の情報を詳しく見る
営元:千葉,東京で車のコーティング実績豊富なIIC
手洗い洗車ができる場所と洗車料金
洗車は水やシャンプーを多く使用することもあり、周りへの気遣いが必要であるため、どこでもできるわけではありません。
また、洗車場によってメニューや料金も異なるため、要望に応じた場所を選ぶことが大切です。
手洗い洗車ができる場所
- セルフの手洗い洗車場
- 洗車専門店
- ガソリンスタンド
- 自宅周辺
まずは、各手洗い洗車場所の特徴や料金について解説していきます。
セルフの手洗い洗車場
手洗い洗車をする場所として、最も人気と言えるのがセルフの手洗い洗車場で、コイン洗車場とも呼びます。
場内には複数台の洗車スペースが用意されており、基本的に高圧洗車機が備え付けてあります。
高圧洗車機の利用料金例
- 水洗いコース(高圧水のみ):5分で300円
- 泡洗浄コース(高圧水‐泡洗剤‐高圧水):6分で500円
- ワックスコース(高圧水‐泡洗剤‐ワックス‐高圧水):8分で700円
高圧洗浄機は、一般的なシャワーでは落とせない汚れもしっかり洗い流せるため、洗車による線傷の発生を抑えやすくなります。
ただし、ボディに近づけすぎると塗装が剥がれたり、グリルが破損したりする可能性があるため、注意が必要です。
洗車後の拭き取りや仕上げは、別スペースになっているため洗車が終った後は、拭き上げスペースへ移動しましょう。
ボディを拭き上げるウエスや各種仕上げ用アイテム、脚立などは基本的に自分で用意しますが、無料で貸し出していたり、専用の自動販売機がある洗車場もあります。
口コミなどを調べたうえで利用してみましょう。
自動洗車機が備え付けられている手洗い洗車場も中にはあります。
洗車専門店
自分での洗車が面倒であったり、洗車道具がなかったりする人におすすめするのが「洗車専門店」です。
洗車に関する知識がある経験豊富なスタッフが、代わりに手洗い洗車してくれます。
手洗い洗車専門店に特化したお店は少なく、コーティング専門店がメニューの1つとして手洗い洗車を行っているケースが大半です。
手洗い洗車に加えて、簡易メンテナンスメニューなども幅広く用意されているため、汚れたボディを隅々までしっかり洗いたいタイミングでの利用をおすすめします。
手洗い洗車料金は、ボディサイズによって決まり2,000~6,000円が相場です。
コーティング専門店によっては、コーティング施工した会員に限り割引価格で利用できるようなサービスもあります。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドは、自動洗車機での洗車以外に手洗い洗車メニューが用意されています。
大手ガソリンスタンド・ENEOS(エネオス)を例に紹介すると、手洗い洗車サービスの詳細は以下の通りです。
エネオスの手洗い洗車メニュー
- 純水手洗い洗車:3,720円~
- 純水プレミアム手洗い洗車:5,130円~
この他にも、コーティング施行車を対象とした「ピュアキーパー」といったメニューがあります。
近くにコーティング専門店などが無い場合や、旅行先で車が汚れた場合などにおすすめです。
自宅周辺
戸建てで洗車スペースがある場合は、自宅でも手洗い洗車できます。
手洗い洗車道具を揃える必要があるものの、繰り返し使えるものがほとんどですので、最もコスパの良い手洗い洗車方法と言えるでしょう。
自分でペース配分できるため、車の状況に応じて自由に洗車を進められます。
次章では、手洗い洗車に必要な道具や正しい手洗い洗車などについて、解説していきます。
手洗い洗車に使用する道具選び
・バケツ
洗車時に洗車道具が収納できるサイズ(5ℓ~10ℓ)を用意すると便利です。
車のサイズがセダンであれば5ℓ、ワゴン車であれば10ℓがおすすめのサイズです。
・ホース
蛇口から使いたい場所までの距離を考えてホースの長さを選びましょう。
ホースの先端はジェットや拡散などの切り替えができるタイプのものがおすすめです。
・カーシャンプー
通常の汚れであれば中性タイプのカーシャンプがおすすめです。
使用用途に応じてカーシャンプを選びましょう。カーシャンプーの種類は後ほど解説します。
・洗車用スポンジ(2個)
タイヤ用、ボディ用に分けるため洗車用スポンジを2個用意します。
ボディに負担をかけないためにスポンジは低反発素材のウレタンスポンジがおすすめです。
・拭き上げクロス(2枚)
タイヤ用、ボディ用の水滴を拭き上げるために使用するクロスです。
ボディに負担をかけないように出来るだけ柔らかい素材のマイクロファイバークロスをおすすめします。
手洗い洗車の4つの手順
ステップ1:足回りの洗浄
作業時間目安:約10分
カーシャンプと、スポンジを使用し足回りから洗浄するようにします。
冬に高速道路などを走行した場合、融雪剤がタイヤ周りに飛び散っている可能性が高いため、ハウス内にもしっかり水をかけて洗い流しましょう。
ホイール内部まで洗浄したい場合、手を入れるとケガする恐れがあるため、ホイール専用の長いブラシの使用をおすすめします。
足回りは汚れがひどく時間がかかるため、ボディに水をかけてしまうと水滴が乾いてシミ(イオンデポジットなどの原因)になる可能性があります。
参考になる記事↓
イオンデポジット,ウォータスポットの落とし方と対策をプロが解説
~洗車は足回りから洗うこと~
ステップ2:ボディ全体を水で流す
作業時間:約5分
車体に付着した埃や砂利などを水圧でしっかりと流します。
ボディへの洗車傷を防ぐうえで最も大切な作業ですので、上から下の順番で強めに水を当てながら汚れを洗い流していきます。
この時点では、スポンジでこすらずに水だけで汚れを洗い流します。
濃色車で、ボディが熱い場合は水で洗い流しながらボディ全体をひやしていきまましょう。
車両前後のワイパーやバイザーの隙間などは、砂などが溜まっていやすいため、なるべく立ててしっかり洗い流します。
参考になる記事↓
車にスクラッチ傷がつく原因とキズをつけないための3つのポイント
~車の上部から水圧で汚れを落とす~
ステップ3:ボディ全体をシャンプで優しく洗っていく
作業時間:約40分
あらかじめバケツで泡立てたカーシャンプをスポンジに浸しておきます。
沢山の泡でボディを洗うことで、摩擦抵抗が減り塗装面に微細な小傷が入りづらくなり、塗装面に付着した油汚れなどが落としやすくなります。
頑固な汚れだからと、指を立てて洗うと力が集中して線傷の原因になるため、スポンジ全体を優しく押し当てるようにして洗浄します。
~ゴシゴシ洗うのはNG!出来るだけ優しく洗おう~
ステップ4:ボディ全体を専用クロスで拭いていく
作業時間:約10分
カーシャンプーを流したら、マイクロファイバークロスで水滴を拭き上げていきます。
普通のタオルは、傷がつきやすいため窓ガラス以外の箇所では使用しないようにしましょう。
拭き上げる順番に関しても、洗車と同様に上から下の順番で進めていきます。
~力は入れず、クロスを置いて引くだけ~
なるべく素早く拭き上げましょう。ボディ用のクロスで一方向に力を入れず拭くと、傷がつくく効率的(時短)に拭き取りができます。
最後にホイールを別のクロスで拭き上げましょう。もっと詳しく洗車方法を知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
動画で分かる洗車方法
手洗い洗車時の注意点
1.カーシャンプの使い分け
カーシャンプには、弱アルカリ性タイプ、弱酸性タイプ、中性タイプの3種類があります。
用途に応じて使い分けることで、愛車を綺麗な状態にキープできるので参考にしてください。
用途 | |
弱アルカリ性シャンプ | 排気ガス、ワックスなどの油汚れ、花粉汚れが除去しやすいカーシャンプ |
中性シャンプ | 一般的なカーシャンプで通常の洗車は中性タイプでOK |
弱酸性シャンプ | 酸性雨、水道水のカルキなどが原因で発生するイオンデポジットなどのシミ汚れを除去するのに最適なカーシャンプ |
2.炎天下での洗車は絶対に避けるべき
炎天下での洗車は絶対に避けましょう。
太陽光の熱で車体が高温になってしまうため、水道水やカーシャンプが乾いてしまいシミが付着してしまいます。
酷い場合は水拭きしても取れないほど頑固なシミになるため注意しましょう。
また、風が強い日に関しても、砂埃がボディに付着してしまい、拭き上げの際に線傷がつきやすくなるためおすすめしません。
3.井戸水洗車は絶対に避けるべき
井戸水にはカルシウムなどが豊富なため、車体(ボディ、ガラス、ホイール)に頑固なシミ汚れを付着させます。
このシミが非常に頑固で簡単には取り除けないので井戸水での洗車は避けましょう。
参考になる記事↓
井戸水の洗車が車を傷める理由
4.洗車機は出来るだけ避けること
洗車機で洗車すると無数にブラシの擦り傷が入ってしまいます。
細かい傷を気にされない方は洗車機に入れても問題ありませんが、濃色車(黒や青い)のボディカラーの車は避けるようにしましょう。
参考になる記事↓
洗車機は絶対NG!塗装面が傷だらけに!
5.虫の死骸や鳥糞は早めに除去すること
虫の死骸や鳥糞は塗装面の変色させたり、塗装を剥離させることがあります。虫の死骸や鳥糞が付着した際は早め(1~2日以内)に取り除いてあげましょう。
参考になる記事↓
車についた鳥のフンは放置しない!正しい対処方法と対策をプロが解説
車にこびりついてしまった虫の正しい取り方と対策をプロが教えます!
6.花粉時期はマメに洗車すること
花粉は人間だけでなく車にダメージを与え、洗車ではとれない花粉シミが付着してしまいます。
花粉が多く飛散する2~4月はマメに洗車するように心がけましょう。
参考になる記事↓
車に付着した花粉の落とし方と予防策をプロが徹底解説
ここまでが、手洗い洗車時に注意する6項目でした。
洗車する際に該当する項目がないかチェックしてみましょう。
自動洗車機のメリット・デメリット
先ほど自動洗車機の使用はなるべくおすすめしないと解説してきましたが、決して悪いことばかりではありません。
なぜ自動洗車機の利用をおすすめしないのか、メリットとしてどのようなことがあるのか、見ていきましょう。
自動洗車機のメリット
自動洗車機の利用で一番のメリットと言えるのが、短時間で手軽に洗車できることです。
近年は、洗車だけでなくワックスや簡易コートメニューも用意されており、目的に応じた洗車ができます。
洗車後には、拭き上げ場が利用可能であり、洗車とは別に掃除機で車内を掃除できるガソリンスタンドもあります。
自動洗車機のデメリット
コーティング施工車や黒や紺といった濃色車は、自動洗車機の利用をおすすめしません。
その理由は、ブラシによる物理的摩擦が大きく、ボディ全体に線傷が入りやすいからです。
線傷が入らないようにブラシも改良しているものの、お店のお手入れ頻度によってブラシの質が大きく異なります。
また、コーティング施行車の場合、前に洗車機を使用した人のワックスやコーティング剤がブラシに残っており、被膜の劣化やシミの原因にもなり得ます。
コーティング施行車で、どうしても洗車機を利用したい場合は「ノンブラシタイプの洗車機」の利用をおすすめします。
一切ブラシを使用しないため、洗車により傷つくことがありません。
O&A 手洗い洗車でよくある質問
手洗い洗車と洗車機、どちらがいいですか?
手洗い洗車をおすすめします。
洗車機は当記事でもお伝えしましたが無数のブラシ傷(擦り傷)が付着してしまい美観(艶)の低下を招きます。
出来るだけ手洗い洗車でお手入れしてあげましょう。
参考になる記事:ガラスコーティング後に洗車機は絶対NG!塗装面が傷だらけに!
車の洗車はどのくらいの頻度で洗うべき?
駐車環境(屋根あり、屋根なし)で異なりますが、車の洗車頻度は最低でも月1回。
理想は週1回の洗車を行うことで新車のような状態をキープしてくれます。汚れたな!感じたらマメに洗車してあげましょう。
参考になる記事:ガラスコーティングした後の洗車頻度は駐車環境と車の色で異なる
手洗い洗車で傷はつきますか?
気を付けていれば付着しませんが、空気中に浮遊するゴミ(砂埃や鉄粉など)が洗車や拭き上げの際に塗装面に擦れるため細かい傷が入ってしまいます。
できるだけ優しく触るようにすることで傷の付着を予防することが可能です。
参考になる記事:車にスクラッチ傷がつく原因とキズをつけないための3つのポイント
洗車後は拭いた方がいいですか?
はい。拭き上げるようにしてください。
水道水に含まれるカルキや塩素などが塗装面に残留してしまいイオンデポジットと言われる頑固なシミを付着させてしまいます。
洗車の際は最後まで拭き上げましょう。
車を洗車しないとどうなる?
車体に汚れが蓄積し洗車では取れない頑固な汚れが固着します。
苔がはいてしまったり、車体の艶(光沢)が低下し酷い場合には塗装がひび割れたり剥離してしましますので洗車機でもよいのでお手入れしてあげましょう。
洗車するならいつがいい
洗車をする時は朝7時~10時、夕方は18時~20時の日が出ていない(もしくは日差しが弱い)時間帯がおすすめです。
日中などの炎天下時に洗車をしてしまうと太陽光の熱で車体が高温になってしまい水道水が乾いてしまいます。
曇りの日など日差しが弱い時間帯に洗車してあげましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?初めて洗車する方や、洗車時の注意点、使用する道具を知りたいといった方に手洗い洗車についてお伝えをしてきました。
手洗い洗車では①洗車の手順②洗車時の注意点をよく理解して行えば、だれでも簡単に愛車の洗車ができます。
手洗い洗車の4ステップ
ステップ①足回りの洗浄
ステップ②流し
ステップ③洗い
ステップ④拭き
上記、4ステップで愛車が汚れたらマメに洗車をしてあげましょう。
また、注意6つの注意点に気を付けてお手入れをすることで長期間愛車の輝きが保てますので参考にしてください。
~手洗い洗車時の注意点~
①カーシャンプーは汚れの用途の応じて使い分ける
②炎天下での洗車は避けるべき
③井戸水洗車は絶対に避けるべき
④洗車機は出来るだけ避けること
⑤虫の死骸や鳥糞は早めに除去すること
⑥花粉時期はマメに洗車すること
となります。この記事を読んで洗車の理解が深まっていただければ嬉しく思います。