この記事では、車の花粉対策や花粉が付着した際の洗車方法ついて解説していきます。
花粉の飛来時期は年間を通して飛来していますが、車に最もダメージを与えると言われるのは主に3月~4月です。
下記図をご覧ください。
画像参照元:エヌエヌ生命
https://www.ssp.co.jp/alesion/hayfever/calendar/
この時期は車の塗装面に花粉が多く付着するため、塗装面やコーティング被膜に大きくダメージを与えてしまいます。
適切な対策と正しい洗車によって愛車を車の花粉から守るための方法をカーコーティングプロ歴18年の著者がお伝えしていきますので、参考にしてください。
この記事を読んで、花粉から愛車を守りいつまでも綺麗な状態を維持できることを願っております。
この記事でわかること ・花粉を愛車から守るための対策 ・花粉対策で最も有効な正しい洗車方法 ・花粉から愛車を守るためのコーティング ・花粉シミを除去する方法 |
目次
1章 花粉が塗装面に与えるダメージ
車の塗装面に花粉が付着すると黄色く汚れてしまいます。しかし、花粉が塗装面に付着したまま放置してしまうと、下記のような現状が発生します。
・花粉シミが発生し洗車では取れなくなってしまう
・コーティング施工車は撥水性能や防汚性効果が低下する
上記のように、花粉を放置しているとシミが発生し洗車では取れなくなってしまいます。
下記の画像は花粉シミが付着してしまった画像です。
上記のようなシミが付着してしまうと洗車や磨き作業では取れなくなってしまいます。
車の塗装面に付着した花粉の粒子(花粉)が水分を含むことで、ペクチンという強アルカリ性の物質が作られます。それが塗装内部に浸食してしまうため表面を洗ったり、磨いたりしても取れないほど頑固なシミを作ってしまいます。
花粉の時期は雨に濡れたら早めに洗うなどの対策をしなければ、コーティング被膜にダメージを与えたり、塗装内部にシミが浸食してしまうので気を付けましょう。
2章 花粉が付着した時の洗車方法
前述した通り、花粉はボディに付着してすぐに悪影響をもたらすわけではなく、水に濡れることで被害が深刻になっていきます。
そのため、花粉被害を最小限に抑えるには、定期的な洗車が最も有効な対策となります。
ただし、誤った方法で洗車を行うと、花粉がボディに残ってしまったり、線傷が大量に入ってしまったりする可能性があります。
ここでは、花粉をしっかり除去できる正しい洗車方法について、解説していきますのでぜひ試してみてください。
手順①
ホイール周りを最初に洗っていく
まず、全体に水をかけてしまうと花粉が水分に反応しペクチンが発生しシミを付着させます。これを防ぐためにまずは足回りから洗うようにしましょう。
手順②
水圧で花粉を落としていく
次に、塗装面に付着している花粉を水圧で飛ばしていきます。これによりペクチンが発生するリスクを極限まで抑えます。
ここで注意したいのは、少量の水をかけただけだと、花粉が水分に反応してシミを付着させてしまうため、念入りに流しておきましょう。
手順③
弱アルカリのカーシャンプーを使用
花粉時期の洗車時は弱アルカリ性タイプの洗剤を使用するようにしましょう。何故なら、花粉は水分に反応するとペクチン(強アルカリ物質)が作られます。そのため、アルカリ系の汚れにはアルカリ洗剤が落としやすいとされているため、弱アルカリ性のカーシャンプを使用することで花粉汚れを落としやすくし、シミの付着を軽減させることが出来るのです。
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3章 花粉のダメージを予防する4つの方法
“花粉のダメージを予防する方法”
- 車体カバーを使用する
- 雨や夜露で濡れたらすぐに洗車する
- カーコーティングを施工する
- プロテクションフィルムを施工する
上記、4点が花粉のダメージを予防する方法です。1つづつ見ていきましょう。
①車体カバーを使用する
車に花粉粒子や水分を付着させないために、車体カバーで保護することで花粉シミを予防することが可能となります。しかし、風により車体カバーと塗装面が擦れてしまうため、細かい擦り傷を付けてしまう可能性がありますのであまりおすすめできる方法ではありません。
②雨や夜露で濡れたらすぐに洗車する
塗装面にペクチンの物質が付着している時間が長ければ長いほど塗装面にシミが浸透してしまいます。
出来るだけ早い段階(2、3日以内)に洗うことで、シミの浸透を防ぎます。日頃からマメな洗車を心掛けることで花粉のシミを予防することが可能です。
③カーコーティングを施工しておく
カーコーティングを施工しておくことで、コーティング膜が花粉の付着、浸食を軽減してくれるためシミが付着しづらくなります。とは言え車体カバーに比べるとシミになるリスクは高くなります。
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④プロテクションフィルムを施工する
プロテクションフィルムは、塗装面に携帯の液晶画面にはるような保護シールを張り付けるため、塗装面に花粉シミが浸食するのを完全に防ぐことが可能となります。愛車の塗装面を完璧に保護したいということであればプロテクションフィルムを施工することがおすすめです。
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プロテクションフィルムとは効果や費用、種類をプロが徹底解説
4章 花粉シミを除去する4つの方法
花粉シミが洗車では取れなくなってしまっても安心してください。花粉シミ(ペクチン)は熱によって分解されます。そのため、塗装面の温度を60度以上に温めることで自然にシミが消えていきます。
この章では、具体的な花粉シミの取り方について解説していきます。
“花粉シミの落とし方”
- ヒートガンで車体を温めて落とす
- ドライヤーの熱で花粉シミを落とす
- お湯で花粉シミを落とす
- 太陽光の熱で車体を温める
具体的には上記、4つの方法で落とすことが可能となります。ヒートガンや、ドライヤー、熱湯、太陽光の熱で花粉シミを落とすというやり方があります。塗装面を50℃以上に温めることで花粉シミが落とせるのですが、面積が大きい車体に上記の方法で対応していると時間がかかりかなりの労力となります。
最も良い方法は太陽光の熱で花粉シミを落とす方法です。太陽光の熱で車を自然に温めることで花粉シミが消えますので安心してください。
ヒートガンで車体を温めて落とす
気温や天気に左右されず早く、シミを取り除きたい場合はホームセンターなどでヒートガン(ドライヤー)を購入し塗装面を強制的に温める方法もよいでしょう。
しかし、熱を加えることに意識して、温めすぎて塗装が溶けてしまったり、プラスティックパーツが変形しないように注意しながら作業しましょう!高性能のヒートガンは温度設定もあるので60℃~70℃に設定しておくとよいでしょう。
ドライヤの熱で花粉のシミを落とす
家庭用のドライヤの熱で花粉を落とすこともできます。しかし、ヒートガンと違い温度が低いため除去するのに時間がかかってしまいます。このやり方はシミが消えるか確認したいときに一部分だけ試してみる時におすすめのやり方です。
熱湯で花粉のシミを落とす
沸騰させたお湯を車体にかけることで花粉のシミを落とすことが可能となります。バスタオルやマイクロファイバークロスなどを車体に被せ、沸騰したお湯をタオルにかけることで、強制的に塗装面が温まるため花粉シミが落とせます。しかし、このやり方は除去できる範囲が少ないため、施工に時間がかかってしまうのが難点です。
太陽光の熱で車体を温める
炎天下で車体を放置していると気温が高い日であれば濃色車のボディは約50℃ほどまで温まります。この状態で数時間放置していれば簡単にシミを取り除くことが出来るでしょう。冬場など車体が高温にならないような環境ではシミが消えることはありませんが、春から夏にかけて自然と花粉シミは消えていきます。
※上記の、4つの方法で試したけと取れないシミは花粉シミではなく、酸性雨や水道水のカルキなどの不純物が原因で付着してしまったイオンデポジットとなります。イオンデポジットと花粉シミは対策や取り方が異なるので注意してください。
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イオンデポジット,ウォータスポットの落とし方と対策をプロが解説
5章 車についた花粉シミでよくある質問
まとめ
この記事では、花粉が車に与えるダメージと花粉時期の洗車方法について詳しく見てきました。
花粉は人だけでなく、車にダメージを与え見栄えが悪くなってしまうため適切な対策が必要です。
花粉の時期は適切な洗車を心掛けてお手入れしてあげましょう。
また、花粉のシミを予防するなら、マメな洗車やカーコーティングの施工、プロテクションフィルムの施工がおすすめです。
万が一、花粉シミが付着してしまった場合は塗装面を高温に温めることで花粉シミが自然と消えるため、ヒートガンや熱湯をかける、太陽光の熱で車体を温めるなどして花粉シミを除去してあげましょう!
それでも取れないシミは花粉シミではなく、イオンデポジットなどのカルキや酸性雨が原因のシミの可能性があります。そのような場合はお近くのコーティングショップに相談するようにしましょう!
著者情報
勤務先:株式会社カービューティーアイアイシー
役職:代表取締役社長
職歴:カーコーティング施工歴18年
一言:毎年、お客様からいただく花粉の被害や除去などを担当し、数多くの車両を解決へと導いてきました。花粉対策は熟知しており、車体を見れば花粉のシミなのか。イオンデポジットによる水シミなのか確認することができます。