大切な愛車の洗車をしていたら塗装面に白い斑点のシミ(イオンデポジットやウォータースポット)が付着している!
気づいた時には手遅れで洗車しても取れない!今まさに困っている状態ではありませんか?
車の塗装面にイオンデポジットやウォータースポットは必ず付着してしまいます。これらのシミを取り除くために研磨剤やイオンデポジットクリーナー等で取る方法がありますが、やり方を間違ってしまったり、シミを長期間放置すると塗装面を痛めてしまったり、研磨剤で磨いても取れないシミになってしまいます。
イオンデポジットやウォータースポットのシミは早期対処が非常に重要となります。
この記事では、イオンデポジットやウォータースポットが付着する原因と取り除き方をコーティングプロ職人歴15年の著者さ詳しく解説していきますのでシミ取りの参考にして頂ければ幸いです。
目次
イオンデポジットとウォータスポットの違い
イオンデポジットやウォータースポットは一緒と勘違いされている方がおりますので、まずはイオンデポジットやウォータースポット違いについて解説していきます。
イオンデポジットとは
イオンデポジットとは、水道水や酸性雨(雨)が乾いてしまい塗装面に付着した状態をイオンデポジットと言います。
イオンデポジットは水分が乾いた際に塗装面に水道水の残留物であるカルキや塩素、カルシウムなどのミネラル膜が塗装面に固着した状態です。また、酸性雨は水分が蒸発する際に純水のみが蒸発し、酸の物質だけが塗装面に残留します。これらの残留物が塗装面に付着した状態がイオンデポジットなのです。
イオンデポジットのシミが塗装面に付着した状態であれば、イオンデポジット除去剤などで簡単に取り除くことが出来ます。しかし、次に説明するウォータスポットが塗装面についてしまうと厄介なので早期対処が重要なのです。
ウォータースポットとは
ウォータースポットはイオンデポジットが悪化したものを言います。イオンデポジットなどのシミが塗装面に付着した状態で雨が降るとその部分にさらに酸の物質が残ってしまいます。それを繰り返すことで塗装面が酸で陥没してしまうのです。
この陥没した塗装面は顕微鏡で見ると塗装にクレーター(おうとつ)が出来ている状態となります。この状態(ウォータースポット)はポリッシャーなどで研磨して一番、くぼんでいる部分まで平坦に磨かないかぎり取り除くことは出来ません。
研磨することで塗装面を削らなければならないため塗装も弱くなってしまいます。ウォータースポットになる前に対処することが非常に重要なのです。
イオンデポジットが付着する原因
イオンデポジットのシミが付着する原因は大きく分けて2つです。
①水道水が乾いてしまう事によりシミが付着する
水道水が乾いてしまうことで塗装面にはカルキや塩素、カルシウム、マグネシウム等が付着してしまい白い斑点状の水シミを付着させます。また、井戸水洗車をすることにより、地下水のアルカリ物質が塗装面に強固にこびりつき付着させてしまいます。
普段の洗車では井戸水は絶対に使用しないようにしましょう!
井戸水洗車は塗装面にシミを付着させてしまう記事はこちら
②酸性雨が乾くことでシミが付着する
塗装面には黄砂や花粉、排気ガスなどの有機系汚れが付着しております。その汚れに酸性雨が混ざることにより塗装面に侵食しやすくなります。雨が降った後に定期的に洗車をしないとシミが付着してしまうのです。
イオンデポジットの対策
①マメな洗車と
洗車時に気を付ける
イオンデポジットを付着させないための対策は下記の2項目です。
①雨に濡れたら早めに洗車する
雨に濡れてから2週間以上放置すると塗装面にイオンデポジットが付着して洗車では取れなくなってしまいます。そのため、2週間以内に洗車するようにしましょう!可能であれば1週間以内に洗車することで酸性雨によるイオンデポジットを防止することが出来ます。
②洗車スピードと洗車時の気温に気を付ける
直射日光が当たる場所や気温が高い日に洗車をすると車体を洗っているうちに水道水が乾いてしまいます。イオンデポジットの付着を防止するためには、塗装面が高温にならないように気をつけながら、水分が乾わかないように早めに洗車することです。
また、水道水の拭き残しがないように丁寧に拭き上げましょう!
②ウォッシャー液を使用しない
車の窓ガラスが汚れたらウォッシャー液を使用する方が多いですが、ウォッシャー液を使用すると洗剤が窓ガラスやボディに付着してしまいます。ウォッシャー液が乾いてしまうとガラス面や車体で乾いてしまいイオンデポジットになってしまうので、極力使用しないようにしましょう!
また、ウォッシャー液を使用するとガラス面に鉄粉や埃などの汚れが付着した状態でワイパーをかけるため、ガラス面にワイパーの擦り傷がつきやすくなります。
窓ガラスが汚れた場合は雑巾などでマメに拭くようにしましょう!
③雪道走行などの
凍結防止剤を早めに取る
凍結防止剤はアルカリ成分となります。アルカリ性の凍結防止剤は塗装面に侵食しやすいため、ボディに残っている状態で直射日光を浴びたり、塗装面が高温になることでシミが付着しやすいくなります。
雪道走行をした際は出来るだけ早め(1~2日以内)に洗車するようにしましょう!
④鳥フンや木の実に気を付ける
イオンデポジットとは異なるシミですが、木の実や鳥ふんも塗装面にシミを付着させます。
これらのシミは熱で固まってしますため洗車では簡単に取り除くことが出来なくなります。
また、木の実や鳥ふんが付着した状態で放置することで塗装面を陥没されてしまう原因になりますので出来るだけ早め(1~2日)以内に洗車するようにしましょう!
これらの対策を行うことで、イオンデポジットやウォータースポットの付着を防ぎ、綺麗な状態を持続させることが可能となります。
イオンデポジットが付着した場合の取り除き方
イオンデポジットが付着した場合はイオンデポジット除去剤で早めに取り除くことが重要となります。
しかし、イオンデポジット除去剤やクリーナーは沢山の商品があり、どれを選べばよいのか分かりかねると思います。また、使用する溶剤によってはガラスコーティングを痛めてしまったり、液剤の濃度が弱く全く取れなかった!
なんていうこともあります。コーティングプロショップでも使用するイオンデポジット除去は業務用の強力溶剤となりますので、塗装面に付着しているイオンデポジットなら簡単に取り除くことが可能となります。
※塗装面を陥没させているウォータースポットは溶剤では取れないので、ポリッシャーで研磨することをおすすめします。
イオンデポジット除去剤の使用方法
①洗車
②イオンデポジット除去の塗布
③水拭き
イオンデポジット除去は3ステップで簡単に行うことが可能となります。乾いた塗装面にマイクロファイバーに付着させたイオンデポジット除去剤を塗り込んで1分程放置した後にさらに、もう一度イオンデポジット除去剤を付着させたクロスで塗り込むだけで簡単に取り除くことが可能となります。
使用後は水拭きで拭き上げて完成です。
イオンデポジット除去剤の使用方法を動画で見る
イオンデポジットが付着しづらいコーティング
厄介なイオンデポジットの付着を防止したいなら親水性のコーティングがおすすめです。
従来の撥水コーティングでは塗装面に水滴を付着させます。その水滴が直射日光を浴びるとレンズ効果の役割を果たすため、塗装面にウォータースポットなどのシミが付着しやすくなるため親水タイプのコーティングがおすすめです!
また、親水タイプはセルフクリーニング効果(自浄性)に優れるため、雨が降った後に汚れが塗装面に残留しづらくなります。
まとめ
イオンデポジットとウォータスポットの違いを説明させていただきました。
イオンデポジットは溶剤で簡単に落とすことが出来ますが、取り除かないで放置していると進行してしまいウォータスポットを付着させてしまいます。
ウォータスポットを付着させないためにもイオンデポジットの段階で早めに取り除くようにしましょう!
また、イオンデポジットの付着を防止するためにはマメに洗車することと、洗車時に水道水が乾かないように注意しましょう!
正しいお手入れ方法で愛車の輝きを持続させていただければ幸いです。