車のコーティングは1800年代に塗装を守るために開発されたワックスから始まりました。時代の流れと共に技術革新でワックス→ポリマーコート→ガラスコーティングが開発され、今ではディーラーでもガラスコーティングを施工できるようになっております。
現在の中で最も効果が高いと言われるガラスコーティングですが、大きく分けて撥水性と親水性の2種類が存在します。
ここでは、ガラスコーティングの親水性と撥水性の違いと特徴について解説しますのでガラスコーティング選びの参考にして頂ければと思います。
著者情報
株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史
2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。
運営元:ガラスコーティング専門店のIIC
目次
【1章】ガラスコーティングの
親水性と撥水性の違いとは
親水コーティングと撥水コーティングの違いは何?と思われている方も少なくないのではないでしょうか?
まず、見た目で分かるものはコーティング性能においての水弾きです。
「撥水コーティングは水玉がコロコロ弾く」タイプのコーティングとなります。
一方、「親水コーティングは水滴が塗装面に馴染む」タイプのコーティングとなります。
多くの方が両者を選ぶ時のポイントは好みが一番多いようです。しかし、駐車環境で最適なコーティングが異なるということもありますので好みだけで選ばないようにしましょう!両者の効果の違いは後ほどお伝え致します。
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【2章】ガラスコーティングの
撥水と親水の水はじき
【親水性】
親水性コーティングは水をかけてもベターと水が塗装面になじみます。そのため、撥水のようなコロコロにはじくコーティングとは異なり水玉になりづらいコーティングとなります。
【撥水性】
撥水性とは読んで字のごとく、水をはじく性質があるコーティングです。水がコロコロ弾くコーティングは洗車をしていて気持ちがいいという点と、洗車時に水玉に汚れが集まり落ちやすいというメリットも兼ね備えております。
塗装面と水玉の接触角度によって、撥水や親水という分類がされているのです。この水玉の接触角度という値でコーティングの撥水か親水かを表すのです。
撥水と区分されている接触角度は90度以上となり、強撥水と言われているコーティング剤は110度以上となります。どのコーティングを選ぶかは、お好みで選ぶことと、駐車環境や洗車の頻度によってコーティングを選ぶことが重要です。
【疎水性】
疎水性の水滴の接触角度は60度前後といわれております。撥水と親水の中間と解釈して頂ければと思います。水玉が塗装面に馴染みやすいため、イオンデポジットやウォータースポットが付着しづらく、洗車時の汚れ落ちにも優れております。
【3章】親水性コーティングの特徴
親水コーティングの特徴は水滴が塗装面に馴染む性質を持っているため、イオンデポジットやウォータースポットが付着しづらいという特徴を持っております。特に濃色車などのシミが付着しやすいボディカラーや青空駐車のオーナー様にご指示頂いている製品です。
ガラスコーティングの中で最も効果の高いと言われている親水性コーティングはお手入れが格段に楽になります。親水性コーティングは撥水系のコーティングと異なり、雨が降っても水玉になりづらく、イオンデポジットなどのシミ汚れが付着しづらいため普段のメンテナンスが簡単に済みます。
3-1 親水コーティングのメリット
親水性コーティングのメリットはなんといっても水シミが付着しづらいため、濃色車や屋外駐車の車両におすすめです。また、セルフクリーニング効果が非常に高いため、まとまった雨が降ると汚れも流れ落ちてくれる効果を備えております。あまり洗車をされない方も洗車の頻度が軽減できるため多くの利点があります。
3-2 親水コーティングのデメリット
水滴が塗装面に馴染む性質を持っているため、撥水コーティングのような水弾きは得られないため、コーティングを施している満足度は撥水に比べると低くなります。また、洗車時の水分の拭き上げも塗装面に水滴が馴染むため拭き取りづらいという感想も多くいただいております。
【4章】撥水性コーティングの特徴
撥水コーティングの特徴は水玉がコロコロ弾くタイプとなります。ワックス施工後のような驚異的な水弾きをお求めの方には撥水コーティングがおすすめです。
4-1 撥水コーティングのメリット
撥水コーティングは水玉がコロコロ弾くため、ボディに付着した汚れも水をかけるだけで汚れが比較的取り除きやすくなります。塗装面の滑々具合も撥水ならではで触りたくなるほど艶々に仕上がるのがメリットです。水分の拭きとりも容易で楽に水を拭き上げることが可能となります。
4-2 撥水コーティングのデメリット
水玉となった水滴がレンズの役割を果たして、塗装面にイオンデポジットやウォータースポットが付着しやすくなります。超撥水コーティングなどはイオンデポジットが付着しづらいようですが、疎水性や親水性コーティングに比べるとシミが付着しやすくなります。
一度付着したイオンデジットは放置しているとウォータースポットとなり、研磨作業で塗装面を磨かないと綺麗に取れなくなってしまうこともあるので、屋内駐車であれば問題ありませんが、あまり洗車をされない方や濃色車にお乗りの方には撥水コーティングは不向きです。
【5章】疎水(滑水)コーティングの特徴
疎水や滑水コーティングは親水と撥水の中間の水弾きが得られます。親水コーティングと比べるとシミが付着しづらいですが、洗車時の汚れ落ちや水分の拭きとりは親水に比べるとよくなります。
また、撥水に比べるとシミが付着しづらいため、撥水コーティングのような水弾きを求めているけど、「洗車の頻度が少ない方」「青空駐車の方」におすすめの商品です。
5-1 疎水性コーティングのメリット
みずはけが良いので、雨が降ったあとでもボディに水が残りにくく、撥水コーティングに比べ、イオンデポジットができにくいというのが最大の特徴です。水分の拭き上げや洗車時の汚れ落ちも容易です。
5-2 疎水性コーティングのデメリット
撥水コーティングに比べるとシミが付着しづらいが、親水コーティングと比べるとシミが付着しやすい。
上記のメリット、デメリットを把握した上で最適なコーティングを選ぶことが愛車を長期間輝かせるポイントです。IICでは知識豊富なスタッフが駐車環境や洗車の頻度、求める効果をお伺いした上で最適な商品をご案内させていただきます。
【6章】代表的な親水コーティングと撥水コーティング
6-1 親水コーティング
【クォーツガラスコーティング】
また、水玉の接触角度も40度以下となるので、イオンデポジットなどのシミ汚れが劇的に付着しづらくなります。
ポリシラザンという原料のガラスコーティングなので被膜高度も9Hと非常に硬い製品になります。クォーツは完全無機質のガラス被膜を形成するため、長期間ボディの状態を維持し続けます。
6-2 撥水コーティング
【SCHILD®GLATTE】
SCHILD®GLATTE(シルト®グラッテ)は撥水タイプのIIC完全オリジナルガラスコーティングとなります。超撥水性の被膜は水洗いで油性系汚れも簡単に除去できる優れた商品です。
水滴の接触角度は100度以上を実現するため、汚れたら高圧ガンで水を拭きかけるだけで簡単に汚れが除去できるというメリットがあります。
2層構造のガラス被膜が紫外線による劣化を抑え、長期間ボディの状態を綺麗に保ちます。
6-3 疎水コーティング
【CeramicPro9H】
CeramicPro9Hは最大被膜硬度9Hのセラミック被膜を形成し、従来のガラスコーティングに比べ圧倒的な耐久性を誇ります。
微細な傷が付着しづらく、汚れ落ちも他の商品と比べると圧倒的で、最大10層まで上塗りすることが出来る商品です。
従来のコーティングは0.3μの厚みに対し、CeramicPro9Hは1層でも1μという驚異的な厚みを形成するため、光沢や防汚性、耐紫外線性効果において比較できないほどの効果を実現します。
【7章】洗車の回数を減らしたいなら親水性コーティング
先ほども述べましたが、親水性コーティングはセルフクリーニング効果が非常に優れているため、雨で汚れが流れ落ちる性質を持ちます。そのため、洗車の頻度が少なくすむので、あまり洗車をされない方におすすめの商品です。
【8章】洗車時間を減らしたいなら撥水性コーティング
撥水性コーティングは水圧で汚れが流れ落ちやすい点と、スポンジで洗うだけで簡単に汚れを落とせます。また、水分の拭き上げも楽になるので、1回の洗車かかる作業時間を減らすことが可能となります。
【9章】親水と撥水の違いと特徴のまとめ
ここまでは親水と撥水の特徴についてお伝え指せて頂きました。求める効果と駐車環境、洗車の頻度を考慮してコーティングを選ぶことが好ましくなります。また、親水タイプでも撥水タイプでも様々な種類が存在します。ガラスコーティングで失敗しないために、まずは専門店のIICへご相談下さいませ。