車の劣化原因の一つに「UV」があります。塗装の表面にあるクリア層がダメージを受け、新車のような光沢が徐々になくなっていきます。古い車が色あせて見えるのはこのためです。
汚れの付着防止や耐擦り性能を持つガラスコーティングは、UVカット効果もあり、施工することで塗装の色あせを防ぐことができます。
しかし、UVによるダメージを完全に防ぐことはできないため、愛車の塗装を保護するためには他の対策も必要です。今回は、ガラスコーティングのUVカット効果やその他の対策について解説します。
記事のまとめ
- ガラスコーティングにはUVカット効果があるが、完全にボディを保護することはできない
- ボディや車内のUV対策として、カーポート、カバー、カーフィルムも推奨される
- ガラスコーティングは、美しい光沢の保持だけでなく、防汚効果や防キズ効果もあり、メンテナンスが容易になるためおすすめ
目次
ガラスコーティングのUVカット効果
冒頭で述べたように、ガラスコーティングにはUVカット効果があります。しかし、商品によってその効果には強弱があり、完全にUVを遮断することはできません。ここでは、ガラスコーティングがどのようにしてUVをカットするのか、その効果の程度について詳しく解説します。
ガラスコーティングにUVカット効果はある
ガラスコーティングは、溶剤を塗布することでボディ表面に強固なガラス質の被膜を形成し、汚れの付着や摩擦による線傷を防ぎます。被膜には紫外線吸収剤や紫外線散乱剤が含まれており、塗装のクリア層(表面)まで届くUVを減少させることができます。これにより、コーティング未施工車に比べてUVによる色あせやチョーキングの発生を防ぐ効果があります。
ガラスコーティングでUVを100%カットは難しい
UVによる車の影響
紫外線はUV-A、UV-B、UV-Cの3種類に分かれ、それぞれ異なる影響を車に及ぼします。
UV-Aは太陽光の大部分を占め、車や生物に与える影響は比較的小さいです。
UV-Bは太陽光のわずかな部分を占めますが、その量は少ないながらも車や生物に大きな影響を与えることがあります。
UV-Cは非常に強い影響を持ちますが、地表までほとんど届かないため、車に対する具体的な影響は考慮されにくいです。
これらの紫外線は、私たちのカーライフにさまざまな影響を与える可能性があります。
塗装が劣化して色あせてしまう
紫外線(UV)は、車のクリアコート表面に直接作用することで、化学結合を破壊します。この過程で生成されるラジカルという活性物質が酸素と反応し、結合の切断が繰り返されます。
この連鎖反応によって、クリアコートは徐々に劣化し、本来の輝きが失われ色あせてしまいます。さらに進行すると、塗装自体が劣化し始め、最終的には粉状になる「チョーキング現象」が起こる可能性があります。
特に、原色系の塗装、特に赤色、黄色、紫色などは色あせが顕著であることが知られています。
車内のシートや樹脂も日焼けしてしまう
紫外線はさまざまな素材にダメージを与えるため、車内のシートや樹脂パーツも徐々に日焼けしてしまいます。特に本革製のシートは特に影響を受けやすく、日焼けによる色あせだけでなく、ひび割れも起こりやすいです。
ボディコーティングとは別に、車の内装用コーティングが存在し、これを施工することで日焼けを防ぐだけでなく、抗菌・消臭効果や耐擦り性能も向上させることができます。車内の素材の長寿命化を考える上でも、内装用コーティングの施工を検討することをおすすめします。
乗員の日焼け・シミの原因になる
UV-Aは波長が長く、ほとんどがガラスを透過する性質があります。そのため、車の内装だけでなく、車に乗っている人の肌にも影響を与える可能性があります。一部では「ほとんど日焼けしない」という声も聞かれますが、UV-Aは肌の奥深くにあるコラーゲンやエラスチンを破壊することで知られています。また、シミやシワ、たるみの原因となることも多いです。
このような影響から身を守るためには、カーフィルムの使用がおすすめです。弊社では、紫外線を100%、赤外線を99%カットする「KOBOtectフィルム」を取り扱っています。このフィルムは、車内の内装や乗員へのダメージを軽減し、日差しの熱を大幅にカットします。
車の塗装をUVから守る方法
ガラスコーティングにはUVカット効果がありますが、完全にダメージを防げるわけではないため、ボディの色あせやシートの日焼けを防ぐには他の紫外線対策との組み合わせが重要です。ここでは、UV対策の方法について4つ紹介していきます。
①セラミックコーティングを施工する
※セラミックコーティング剤:System X MaxG+
ガラスコーティングよりもUVカット効果を強化したい場合は、より膜厚のあるセラミックコーティングをお考えになると良いでしょう。近年では、高いUVカット効果を提供する新しい商品も登場しています。コーティングを施工する際には、UV対策を重視したメニューを選ぶことがポイントです。
参考になる記事:セラミックコーティングとは?効果,費用,特徴と商品を徹底解説
車内の日焼けを防ぎたい方には、カーフィルムが効果的です。例えば、フロントガラスやフロントドアには、透明フィルムで可視光線透過率が70%以上のものを施工することで、UVや赤外線をカットすることが可能です。
カーフィルムについて詳しく知りたい方は100%紫外線カット(UVカット)カーフィルムの特徴をIICが解説を参考にご覧ください。
②プロテクションフィルムを施工する
ボディのUV対策に重視する方には、プロテクションフィルムがおすすめです。このフィルムは、一般的なコーティングよりも膜厚が厚く、UVカット率が95%を超えるものもあります。
プロテクションフィルムは飛び石や拭き傷などからボディを保護し、必要に応じて何度でも貼り直すことができます(商品により異なります)。ただし、ボディ全体に貼る場合の費用が高額であり、100万円を超えることがデメリットです。一方で、ボンネットやルーフなど限定的な箇所に施工する場合は、1箇所あたり15~20万円で施工することが可能です。
プロテクションフィルムについて詳細を知りたい方は、プロテクションフィルム5つの効果,傷や飛び石のダメージを防止するをご参照ください。
③駐車場にカーポートを設置する
引用元:https://www.tlt.co.jp/tlt/products/uv_lighting/uv_innovation/uv_innovation.htm
④車体にカバーをかける
上記以外の車体のUV対策として考えられるのが「車のカバー」です。市場にはさまざまなタイプの商品があり、中には高いUVカット率を誇るものもあります。
車のカバーは横からの雨や風を完全に防ぐことができるため、汚れ防止にも効果的です。また、カバーをかけることで車内の物品が見えにくくなり、盗難のリスクを低減する効果もあります。
ただし、毎回カバーをかけるのが手間であり、取り外し時にボディを引っ掛けてしまう可能性がある点はデメリットです。内装だけでなく、車全体を保護したい場合はカーサンシェードも有効です。
さらに、窓ガラスに吹き付けるタイプの紫外線対策スプレーも市販されていますので、興味があれば検討しましょう。
UVカット以外のガラスコーティングの効果
ガラスコーティングにはUVカット以外にも数々の施工メリットがあり、カーライフにおいて重要な存在です。
この章ではUVカット以外のガラスコーティングがもたらす効果について解説します。
車に汚れが付着しにくくなる
ガラスコーティングは、車のボディ表面に強固な保護被膜を形成することで、汚れの付着を防止します。わずかな雨でも汚れが浮き上がりやすく、未施工の車両と比較して格段に綺麗な状態を保ちやすくなります。
洗車も、軽度な汚れであれば強い水圧で流すだけで落ちるようになります。また、コーティングされたボディは水滴が簡単に拭き取れ、愛車をいつも美しく保つための手間が軽減されます。このように、ガラスコーティングは愛車の美観を長期間にわたって維持するのに不可欠です。
関連する記事:コーティングした車の正しい洗車方法と手順をプロが徹底解説
線傷が付着しにくくなる
表面に強固な被膜が形成されることで、ガラスコーティングは耐擦り性能が向上し、細かい線傷が付きにくくなります。特に濃色車にとって、線傷はボディの見た目をくすませる原因の一つですから、コーティングは効果的です。また、ボディが汚れにくくなることで、洗車の頻度が減少し、洗車やボディの拭き取り作業も減ります。これにより、線傷の発生を抑えることができます。
関連する記事:洗車キズ、磨き傷の対策
雨染みの発生を抑えることができる
ボディにできる雨染みは、汚れと水が混ざって乾燥することによって形成されます。ガラスコーティング施工車は、その撥水性能により花粉や黄砂などの固着を防ぎ、雨染みの発生を抑えることができます。
特に親水性の高いコーティングは、水玉ができにくく、ボディのシミ対策に優れています。このため、愛車を美しく保ちたい方にはおすすめの選択肢です。
関連する記事:車の雨シミを落とす方法や道具と予防策をIICが解説
ガラスコーティングと他のUV対策を併用して車を守ろう
ガラスコーティングには防汚効果や防キズ効果などさまざまなメリットがあり、さらにUVカット効果もありますが、完全にUVを遮断するわけではありません。そのため、他の対策も併用することが重要です。
カーポートやカバーを使った保護、さらには車内の日焼け対策としてカーフィルムも有効です。弊社では高品質なコーティングはもちろん、カーフィルムや車内・内装のコーティングも扱っています。詳細は以下のリンクからご確認ください。
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